Chapter 1 of 1

Chapter 1

そこはねずみも歩かない

歩くべきではない

ひじりの行くべき道である

空は明るく明るく

まひるの如くに明るい

一しきり降っていった雪は

野に山に路に庭に

夢見る様に積もっている

雪は白い何よりも白い

きよめられたる様に白い

天と地の合体の風景である

包む夜は厳に静かな

しらべをひっている

ひじりの為めに撒いた敷物は

けがれる事を恐れている如くである

●図書カード

Chapter 1 of 1