Chapter 1 of 1

Chapter 1

ノスケ万歳!

プロレタリアは武装を解かれた

――ゲオルグ・グロッス――

むくれあがった傷口から白い蛆虫は這い出した

蠅は飛び出した小腸を喰べている

風が吹く

転がっている銃殺死体!

ほんとうに射撃された心臓は歪んでいた

兵隊の靴の音は飢えた群衆の中から

ピストル!

奴らの銃剣は!

切断された太陽の注ぐ光の下にひかり

おれらの脳髄を 心臓を指さしている

掘立小屋から瘠せ細った手

充血した瞳は考えている

バラバラになったかれらの死骸!

風が吹く

蠅が飛ぶ

生ぐさい草いきれ

――奴らは爆弾を持っていたんだ

――ゆうべ 小銃の音が!

――どこに爆弾が!

――ビラがはってある

歩哨の肩はひろく 勝ちほこっている

だれが殺されたんだ

奴らさ!

*******

放心した群衆の足は不安にうろついている

何処へ行こう!

風が吹く

蠅が飛ぶ

転がっている銃殺死体!

粉微塵の頭蓋骨!

死体になってかれらの瞳は一点をみつめている

飛び散っている手!

おれは知っている

太陽は切断された

萎びた心臓の傷は真赤にひかる。

(『無産詩人』一九二四年七月創刊号に発表 『陀田勘助詩集』を底本)

●図書カード

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