Chapter 1 of 13

K君

富士見からK君がやつて来て、いろいろな話をした。近年になつて、山にやつて来るものが非常に多くなつたといふこと、何でも百人位は今でもゐるといふこと、さういふ人達はあの停車場前の旅舎や、たのんで置いて貰つたしろうと屋や、その他農家の一間にまで入り込んで行つてゐるといふこと、設備がないから軽井沢のやうには急には行くまいけれど次第に、避暑地としての価値が認められて来ることを尽きずに話した。私の行つた時のことなどが、一つ一つ思ひ出されて来た。

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