Chapter 1 of 3

きらびやかでもないけれど、

この一本の手綱をはなさず

この陰暗の地域をすぎる!

その志明かなれば

冬の夜を、われは嘆かず、

人々の憔燥のみの悲しみや

憧れに引廻される女等の鼻唄を、

我が瑣細なる罰と感じ

そが、わが皮膚を刺すにまかす。

蹌踉めくままに静もりを保ち、

聊か儀文めいた心地をもつて

われはわが怠惰を諫める、

寒月の下をゆきながら、

陽気で坦々として、しかも己を売らないことをと、

わが魂の願ふことであつた!……

Chapter 1 of 3