Chapter 1 of 1

Chapter 1

初夏ともなれば百円ぐらゐのパナマ帽がいたについて見ばえのある風格をみよちと遊びに来給へと名刺をくれるのだ名刺といへばかれもまた一流の名士にして普く八方に疎通してあますところは無いのであるさつそく鄭重な御供物をおくり盛大な葬儀に列してゐるを見る門札をうつて居を構へてゐるその収入の道その収入のほどは 否 税務署の吏員氏さへ難渋するのだから 今 これを窺ふべくもないのである午後かれを訪問すれば したしく応接間に召じいれ熱あり 魅力あり その広範な経綸は倦ませず若いものを鼓舞するに足るのである

●図書カード

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