Chapter 1 of 10

蔵園宗三郎の話

「途方もない話をすると思う人があるかも知れませんが、これは総て私の経験した事実で、寸毫のおまけも無い、癪にさわるほど露骨な物語であります」

第二話を引き受けた若い富豪蔵園宗三郎は、その秀麗な面を挙げて、少し極り悪そうに斯う話し始めました。奇談クラブの集会室、例の真珠色の光の中に、女会長の美しい吉井明子を中心に、贅沢の限りを尽した思い思いの椅子が、十二の花弁のように配置されております。

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