Chapter 1 of 1

Chapter 1

受難の日はいたる

主は遠き水上にありて

氷のうへよりあまた光る十字すべらせ

女はみな街路に裸形となり

その素肌は黄金の林立する柱と化せり。

見よやわが十指は晶結し

背にくりいむは瀧とながるるごとし

しきりに掌をもつて金屬の女を研ぎ

胴體をもつてちひさなる十字を追へば

樹木はいつさいに轉し

都は左にはげしく傾倒す。

ああ十字疾行する街路のうへ

そのするどさに日輪もさけびくるめき

群集をこえて落しきたるを感じ

いのり齒をくひしめ

受難の日のひくれがた

われつひに蛇のごとくなりて絶息す。

●図書カード

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