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はしがき

私は『博物館』といふ題で書くことになりましたが、何分博物館といつても、美術考古博物館もあり、科學博物館もあり、そのほかいろ/\の博物館があるので、それを一々説明すれば百科の學を講釋することになり、それは私には出來ない藝當であるのみならず、一册の本にはとうてい收め切れません。しかし幸ひ美術や自然科學のお話は、別に諸先生が筆を執られてゐることゝ思ひますから、私は博物館のうち考古學の博物館のことだけを書くことにし、この一册の本によつて若い人達に考古學の大體のお話しをすることにいたしました。たゞ何分書物の標題が『博物館』となつてゐますので、始めに少しばかり博物館全體のことを述べて置きます。

考古學のお話しをする爲めには、どうしても實物をお見せするか、せめて寫眞や繪をお目にかけなくてはよくわかりかねます。それで、この本にもわりあひにたくさん繪を入れて置きました。そのうち霜島正一郎先生の手になつたものもありますが、便宜上私の描いた拙い素人畫もたくさんあるのは、おゆるしを願ふほかはありません。またこの本を書くにあたつて、松本龍太郎さんにいろ/\御厄介になつたことを、こゝで厚くお禮を申しあげて置きます。

昭和四年七月濱田青陵

博物館

裝幀・恩地孝四郎

島田貞彦

口繪・霜島正三郎

繪・霜島正三郎

濱田青陵

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