Chapter 1 of 1

Chapter 1

影と銀の乱れる夜へ

月は死葉を刈り立てる。

(魂は忍び音を聞く。)

虚空の淵に揺られる

星の瞳は鈴を響かす。

(魂は灰を見つめる。)――

渦巻く雲より覗く

烈しい闇の裸形。

(魂は火を失ふ。)――

いつも地平を逍ふ獣の群よ、

いつも雪の降る薄明りよ、

いつもわが閉ぢた窓に映る幻よ、

いつも暖をとる寒い魂よ、

いつも我を裏ぎる我の

心の罠よ 肉の恐怖よ。

いつもいつもつまづくわが神経のいらだたしさ……

●図書カード

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