Chapter 1 of 4

日常生活と発明

科学や乃至はそれを応用した技術の上でのいろいろの発明がわたしたち人間の日常生活の有様を著しく変えて、そこにすぐれた文化の世界をつくり出してゆくことを、よくよく考えて見ますと、人間社会にとってこれらの発明がどれほど尊いものであるかということが、しみじみとわかって来るでしょう。

ところで、現在皆さんは電気のいろいろの利用によって日常生活がどれだけ便利になっているかをよく知っているでしょう。そのなかで、電信や電話は遠方の人たちとの交通を容易にしていますし、電灯は暗い夜を明るく照らしてくれますし、いずれもわたしたちにとって有難いものであるに違いありません。また電気以外にも、蓄音機や映画などがどれだけ日常生活を楽しくしてくれるかも、皆さんはよく知っているでしょう。ところが、これらを発明したり、又はよいものに改良したりして、実用に使われるようにするために、大いに骨を折ったのが、ここでお話ししようとするアメリカのトーマス・アルヴァ・エディソンなのですから、私たちが今日彼のおかげをどれほど多く蒙っているかを、まず考えなくてはならないのでしょう。エディソンは数多くの発明をなし遂げたので、世俗から発明王とまで云われたのですが、元来貧しい家に生まれて正式の学問などをまるで受けなかったので、ただ自分の好むままにその道に進んだと云うのですから、驚くのほかはありません。併しそれは人間が一生懸命に事を行えば何事にも成功するということを示した一つの模範として、一層意味が深いと考えられるのです。そういう意味で、皆さんもエディソンの伝記を知って頂きたいと思うのです。

Chapter 1 of 4