Quay lại
十和田湖
Table of Contents
十和田湖
大町桂月
Reading Settings
Cỡ chữ
18px
Giao diện
Sáng
Tối
Sepia
Bảo vệ mắt
Khoảng cách dòng
Chế độ đọc
Bản dịch Pagera AI
Nguyên bản Public Domain
Chapter 4 of 15

四 休屋

三十日、休屋さしてゆく。道太郎氏の子一雄氏、從弟小平四郎氏、あらたに加はる。共に少年の學生也。宇樽部より休屋まで、凡そ一里、老樹しげる。桂の大木も多し。蛇麻の花黄に、冠草の花紫也。車草、こゞみの生ひたるにても、日光に遠きことは知られたり。思ひがけずも、休屋の鈴木尚信、中村秀吉、川村藤五郎三氏、男女の生徒をつれて、われらを途に迎ふ。好意は細徑の草にもあらはれて、苅痕なほ新た也。

休屋は、十和田諸部落の中心點也。十和田神社こゝに在り。奇景このあたりに集まる。祠官にして、兼ねて宿屋を營める織田與次郎氏の家にいたる。酒肴の饗應を受け、織田氏に導かれて出づ。十和田湖畔、杉は、唯こゝのみにありて、並木を爲して長くつゞく。十和田神社に詣づ。日本武尊を祀る。險しき巖山を攀づ。山に臨みて、南祖坊と、八郎太郎との祠あり。九間の鐵梯を下り、御占所にいたりて、中海に俯し、水を隔てて、御倉山を望む。學生四人、船に在り。みな五戸の人、われらを慕ひて、相前後して來り遊べる也。一行も之に乘りて船を發し、中海西岸の斷崖を見上げ、水中に孤立せる蝋燭岩あたりにいたりて、船を返しぬ。十和田湖前より別路を取り、大黒天、天の岩戸、金の神、山の神、火の神、風の神などの巖窟を見て、西海の濱に出で、近く惠比須島を見て歸途に就き、織田氏の家に小憩して、黄昏の頃、宇樽部に歸りぬ。

Chapter 4 of 15
|