Chapter 5 of 7
壺
千二百年前に
一人の陶工が残したイメージが
暮れなずむスカンポのやぶに
ころがつている
スカンポの根は夕焼け色だ
その人の創つたこの青い壺の形象から
そのひとの姿がかすかに浮かびあがる
その人は
夕焼けいろの草むらから
音もなく立ちあがつたとおもうと
びつこをひきひき
千二百年の時を逆に歩きだした
千二百年前に
一人の陶工が残したイメージが
暮れなずむスカンポのやぶに
ころがつている
スカンポの根は夕焼け色だ
その人の創つたこの青い壺の形象から
そのひとの姿がかすかに浮かびあがる
その人は
夕焼けいろの草むらから
音もなく立ちあがつたとおもうと
びつこをひきひき
千二百年の時を逆に歩きだした