Chapter 8 of 68
かんぴょう
家族が病気で大騒ぎの時、いちじく印の灌腸薬を書生M君に大急ぎで買いにやりました。私が「オイ灌腸はまだか、早く早く」と待ち兼ねている時、M君は「いちじく印のものはありませんでしたけれども」といいながら一束のかんぴょうを携げて帰って来ました。それはかんぴょうではないかと私は怒りました。八百屋のおやじもおやじです。病人も痛む腹から微苦笑をかすかに洩らしました。
家族が病気で大騒ぎの時、いちじく印の灌腸薬を書生M君に大急ぎで買いにやりました。私が「オイ灌腸はまだか、早く早く」と待ち兼ねている時、M君は「いちじく印のものはありませんでしたけれども」といいながら一束のかんぴょうを携げて帰って来ました。それはかんぴょうではないかと私は怒りました。八百屋のおやじもおやじです。病人も痛む腹から微苦笑をかすかに洩らしました。