謝辞およびメモランダム
本書に登場する学校にはモデルがある。したがってなによりもまず、あの未来の学校を構想し、実現し、志しなかばで斃れられた故・松信幹男先生と、「マイクロ天地創造」につどったひとびと――とりわけ、さまざまな材料を提供し、さらには「出演」にも同意してくれた、わがバンドのリード・ヴォイス、佐藤誠氏に深く感謝したい。
以下のかたがたのご協力、アドヴァイス、激励がなければ、いまここに本書が存在したかどうか疑わしい。
出版に尽力してくださった小平尚典氏とシンプロンの山口澄子夫人(筋金入りのハード・ミーハーとして長年秘蔵してきた、数々の貴重な資料を提供していただいたことも書き落とせない)、「デモ版」の編集をしてくださった佐々木敏久氏、もろもろのアドヴァイスに加え、資料集めまで手伝ってくださったわが写真の師・岡崎秀美氏、つねに激励しつづけてくださった富田倫生氏、数度にわたる長いディスカッションにつきあってくださった古川愛哲氏、および後輩の原正年・紀子夫妻、太平洋をはさんで英語のチェックをしてくれた後輩のディーン・T・マツシゲ氏。
峰岸達氏には、当時のメモラビアをみごとに配した、微笑と追想を誘う美しいイラストレーションで本書を飾っていただいた。新潮社装幀室の緒方修一氏には、デザインのお世話になっただけでなく、決定的な場面で事態を打開する、ナックル・ボールのような数々の助言をいただいた。ともすれば、わき筋に入りこむ傾向のつよい初稿を読み、物語としての軸を明確にするよう腐心してくださった、新潮社出版部の佐久間憲一氏に、この決定稿は大きく負っている。
エピグラフとした曲は、物語中の引用の時点で、すでに本国でリリースずみのものにかぎっている(一曲だけ例外はあるが)。手もとにある場合は国内盤の歌詞カードを参照しているが、最終的にはじぶんの耳がたよりなので、あなたがご存じの歌詞とはズレがあるかもしれない(とりわけ〈ホエン〉と〈レドウッド・トゥリー〉)。第3章で引用した〈デイドリーム・ビリーヴァー〉の歌詞は、作者ジョン・ステュワートのセルフ・カヴァー盤のもので、モンキーズ盤とは異なる。
こちらの意図にそってバイアスをかけるために、すべての歌詞をじぶんで訳している。手もとに国内盤の「訳詞」がある場合は参照し、一致しないように努力したが(おかげで〈ウェルカム・バック〉は、あえて誤訳するハメになった)、当然ながら、すべてを参照できたわけではない。
曲のタイトルは原題の音訳を原則とし、邦題についてはほとんど配慮していない。邦題は、楽曲のアイデンティファイアたりえないからである。また、邦題が音訳であっても、その表記を採用しているとはかぎらない。好き嫌いの問題だが、原理原則の問題、「情報の精度」の問題でもある。
一九九四年六月鶴岡雄二
●図書カード