Chapter 1 of 3
1
或る日君は僕を見て嗤ふだらう、
あんまり蒼い顔してゐるとて、
十一月の風に吹かれてゐる、無花果の葉かなんかのやうだ、
棄てられた犬のやうだとて。
まことにそれはそのやうであり、
犬よりもみじめであるかも知れぬのであり
僕自身時折はそのやうに思つて
僕自身悲しんだことかも知れない
それなのに君はまた思ひ出すだらう
僕のゐない時、僕のもう地上にゐない日に、
あいつあの時あの道のあの箇所で
蒼い顔して、無花果の葉のやうに風に吹かれて、――冷たい午後だつた――
しよんぼりとして、犬のやうに捨てられてゐたと。