Chapter 1 of 1

Chapter 1

酒は誰でも酔はす

だがどんな傑れた詩も

字の読めない人は酔はさない

――だからといつて

酒が詩の上だなんて考へる奴あ

「生活第一芸術第二」なんて言つてろい

自然が美しいといふことは

自然がカンヴァスの上でも美しいといふことかい――

そりや経験を否定したら

インタレスチングな詩は出来まいがね

――だが

「それを以てそれを現すべからず」つて言葉を覚えとけえ

科学が個々ばかりを考へて

文学が関係ばかりを考へ過ぎる

文士よ

せち辛い世の中をみるが好いが

その中に這入つちや不可ない

●図書カード

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