Chapter 1 of 1

Chapter 1

なたねなの花は川邊にさけど

遠望の雪

午後の日に消えやらず

寂しく麥の芽をふみて

高き煉瓦の下を行く

ひとり路上に坐りつつ

怒りに燃え

この故郷をのがれいでむと

土に小石を投げあつる

監獄署裏の林より

鶫ひねもす鳴き鳴けり

(滯郷哀語篇より)

●図書カード

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