Chapter 1 of 8
黒いトカゲ
弱い外光の中、舟底椅子にもたれてウトウトと昼寝をしたのだがさめた。
ぼんやりした日の中に、黄色いアトリエの壁が見える。アカシヤの影像が、ぼんやりとうつる。小さい小さい姫蔦が、あちらこちらのびて、一つの波紋を作つて居る様だ。
チヨロチヨロと赤いトカゲが出て来た。
チヨロチヨロと黒いトカゲが出て来た。
にらみ合つた二匹のトカゲ一緒になつて遊び出した。
黒いトカゲが先に赤いトカゲが後に、二匹とも揃つて蔦の中に逃げた。
僕の目はまたウトウトとのろいものうい眠りにおそはれた。