Chapter 1 of 4
まず的確なる目的を定めよ
現今多数の青年の各自に志すところは十人十色、種々多様であろう。あるいは行政官を志望する者、あるいは外交官、あるいは判検事あるいは技術家、商業家、農業家、工業家、医師、芸術家、あるいは文学、あるいは教育、あるいは宗教、各自の性質と境遇とに由りて千差万別であろう。而してまたその志望するところに遵って、各自になんらの障碍なく着々と進み得らるるかというに、多くの人の進み行く道程を調べてみるに、また色々の境遇に由って色々に変っている。例えば中学を出でて高等商業学校に入るつもりであったのが入学試験に落第したために、全く毛色の変った学校に入ってそれで進んで行く者もあり、あるいは外交官試験や高等文官試験などに落第したがために実業界に転ずるという如き例は甚だ多い。かくの如く人の一生の行路は、多くはやむを得ざる境遇に由りて種々に変って行くものであれば、これを理論的にその成業の道程、成業の方法を規定することは出来ないのである。然るにもしこれを通則的に概言するならば、青年の成業の第一要件はまず的確なる目的を定むることである。もし真に的確なる目的を定むることが出来たならば、もはやその人はその事業の過半は成し得たも同じだといわれているが、実にその人の特性、人物に的確なる目的を定むることは決して容易の事ではない。