Chapter 8 of 32
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居間の壁に寄せてあったライティング・テーブルを、ぼくは部屋の中央へ持って来た。デスクにしろテーブルにしろ、ぼくは部屋のまんなかに置くのが好きだ。
買ったばかりの電子タイプライターを、そのテーブルに乗せた。かたわらに、紙の入った箱を置いた。タイプライターの電源コードが、なにもない板張りのフロアの上を、部屋の片隅にむけてのびていた。そこにあるアウトレットに、コードはちょうど届く長さだった。
もうじき、午前十時だ。ぼくはライティング・デスクにむかってすわり、タイプライターのキーを打っている。新しいタイプライターに慣れる練習であると同時に、長いストーリーを書くための助走路のような短い文章を、ぼくはとりとめなく朝から書いている。
紙の入っている箱はタイプライターの右側にあり、文章を打った紙は、タイプライターの左側に、重ねて置いてある。三種類の短い文章を、ぼくは今朝からすでに書いた。いちばんはじめに書いたのは、次のようなものだ。タイトルは、『黒板のメニュー』と、つけておいた。