Chapter 1 of 1

Chapter 1

かつて、きゝし折りなき楽の音!

今宵、心にしのび入る。

絃はわななき震ひ、

果ては――蒼き涙にむせぶ。

眼に見ゑず、心にとまるメロディよ!

知らず、深き迷ひにいらしむ。

吾れはなつかしき女の声とや聞き、

底なき闇の中、メロディの消ゆる処へ

しづまむ。

●図書カード

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