Chapter 1 of 1

Chapter 1

釣竿の影がうつつている

この無限の中で

釣をする人は

しつかり岩の上に坐つたまま

ねむつている

ねむつたまま竿をにぎつている

今日は川魚たちの祝祭日

みんな青い時間の流れにそつて

さがつている針を

横目でにらみながら通りすぎる

今までどうにか生き残つた魚たちの

今日はお祭りなんだよ

先頭を行く逞しい雄のあとを

紅いろに着飾つた雌たちが

一列になつておよいでゆく

水底の砂にゆれる光る青空と白い雲

人間の世界でも秋祭りなんだなあ!

遠い太鼓の音が

この川底までひびいてくる

●図書カード

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