Chapter 1 of 5
Chapter 1
東金君と僕は何の因果だろう? 小学校から一緒で竹馬の友だ。現在も友情を誓っている。喧嘩一つしたことのない仲だけれど、昨今はお互に好かれと祈らない。始終競争意識に囚われている。僕は込み上げて来ると、東金の奴、失敗すれば宜いと思う。それほどでなくても、先方が此方よりも成功することは面白くない。これは否定出来ない事実だ。先方も矢張り同じような心持でいる。東金君は僕ほど敏感な良心の持主でないから平気かも知れないが、僕は甚だ辛い。時折顧みて、自分の心境に愧じ入ることがある。真に愚劣な経緯だけれど、乗りかけた舟で今更仕方がない。