Chapter 1 of 1

Chapter 1

満州というと

やっぱし遠いところ

乾いた砂が たいらかに

どこまでもつづいていて

壁の家があったりする

そのどこかの町の白い病院に

熱で干いた唇が

枯草のように

音もなく

山田のことばで

いきをしていたのか

ゆでたまごのように

あつくなった眼と

天井の

ちょうど中ごろに

活動写真のフィルムのように

山田の景色がながれていたのか

あゝその眼に

黒いカーテンが下り

その唇に

うごかない花びらが

まいおちたのか

楽譜のまいおちる

けはいにもにて

白い雲が

秋の空に

音もなく

とけて

ゆくように

●図書カード

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