Chapter 1 of 1

Chapter 1

廻せ! 廻せ!

廻したくば何程でも廻せ。

如何に汝が廻すとも

機械の前に我等立たずば、

一寸の布も編まれぬであろう。

一尺の糸も紡がれぬであろう。

糸の一管さえ巻かれぬであろう。

我は労働者よ。

何も知らず。――只此事を外にしては、

されど

我が知れる此事はいとも貴し。

我は『力』なる労働者の一人なり。

げにこそ

労働者は力なり。

我等が皆目醒むる時

為さんとし成らざるなき強き力なり。

(『新社会』一九一六年七月号にN正吉名で発表 『どん底で歌う』を底本)

●図書カード

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