Chapter 1 of 1

Chapter 1

絹には「時」の薫ずれど

「妄執」の色褪せにたり、

鏡のそとに溢れたる

雲の御髮に如めやも。

心急れの旗じるし

道の衢にいきほへど、

われはた君がねくたれを

枕きてあらむ、眼もきりて。

げに唇のいとせちに

憧るとてもあやなしや、

君戀ひわたる貴人が、

丈長髮のふくだみに

玉を擲つここちして

「名利」の叫ふたがずば。

●図書カード

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