片山広子 · 일본어
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원문 (일본어)
たぶん五六年前のことと覚えてゐる。私の歌の友だちの栗原潔子さんが小野小町の墓を訪ねる歌を十首ばかりの連作にして、どこかの雑誌に出したことがある。作者が何かの用事で栗橋の近くまで行つたとき、むかし小町が都にも住みきれず落ちぶれきつてみちのくへ行く旅の途中、その辺の路傍に死んでしまつたのを、里びとがそこに葬つたという言伝へがあるのださうで、それは嘘かほんとか、あるひは別人の墓であるかもしれないと断つて、その歌を詠んだのであつた。歌もうつくしかつたが、「小町の墓」に私は深い興味をひかれた。小町は京の貴族の家に生れた貴婦人ではなかつた。みちのくに育つたわかい娘の、たぐひない才色を見出されて采女として都に召され、宮廷に仕へるやうになつた才媛であつた。采女といへば、後宮の官女、諸国の郡司の女などの才色すぐれたる者を貢せしめたと書いてある。だから彼女は紳士の令嬢であつたのだらう。そして一世に名をうたはれたその美しい人がどんなに疲れやつれて、どんな姿で旅をしたらうなどと考へてみた。乱れた髪を長く垂らし灰色のきものを着て杖をついてゐる小町のさすらひの姿は、何かの画でも見てゐるけれど、お面のやうな端麗な顔
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片山広子
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