小泉八雲
小泉八雲 · Japanese
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小泉八雲 · Japanese
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Original (Japanese)
拝啓 先に長崎からお手紙を差し上げると申しておりましたが、それはかなわない事になりました。というのは、実際、私は長崎から逃げ帰って来たからです――何があったか、そのいくつかをお話しします。 七月二〇日の早朝、私は、一人、熊本を出発し、百貫経由で長崎へ向かうつもりでした。熊本から百貫までは人力車で一時間半あまりの距離でした。百貫は水田の中の、くすんだ小さな村です。土地の人たちは淳朴で善良です。そこで、漢文を勉強している生徒の一人に会いました。そこからは、小舟で蒸気船に向かいます。この舟の舳先は壊れていました。コールリッジの詩にあるような静かな海をゆらりゆらりと四里ばかり進んで行きました。それは退屈でした。そして、停泊して一時間以上も待たされましたが、海面をじっと見ていると、さざ波が繰り返し/\押し寄せて来るので、まるで反対方向に引っ張られて動いているような、奇妙な錯覚を覚えました。他には見るものとてありません。ついに、私は、はるか水平線上にコンマを逆さまにしたような船影を見つけました。それが近づいて来ます。ついに、ボーッという汽笛を聞いたときは、嬉しくなりました。けれどそれは別の船でした
小泉八雲
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