小泉八雲
小泉八雲 · Japanese
No translation yet. Request one to move it up the queue.
小泉八雲 · Japanese
First paragraph preview
Original (Japanese)
月なき無窮の夜空に、あまたの星がきらめいて、横たわる天の河も、ひときわさんざめいている。風は凪いでいるが、海はざわめいている。見渡せば、ざあと一つまた一つ押し寄せて来る小浪が、皆火のように燦めいている。黄泉の国の美しさもこのようではなかろうかと思うばかりである。真に夢のようである。小浪の浪間は漆黒であるが、波の穂は金色を帯びて浮び漂っている――そのまばゆさに驚かされるほどだ。たゆげに寄せる浪は、ことごとく蝋燭の炎に似て黄色に光っている。なかに深紅に、また青く、今また黄橙色に、はては翠玉色を放つものがある。黄色に光っている浪のうねりの揺蕩は、大海原の波動の故ではなくて、何かあまたの意思が働いているように思われる――意識を持っており、かつ巨大にして漂っているもの――あの、暗い冥界に棲むドラゴンが群れなしてひしめき合い、繰り返し身もだえしているのに似ている。 実は、この壮麗な不知火の輝きを作っているのは生命である。――ごく小さな生命ではあるが、霊的な繊細さを持っている――この生命は無限とはいえ、はかないものである。この小さきものは、水平線まで続く潮路の上を流離ながら、弛みなく変化して、今を生
小泉八雲
Translation status
WaitingLog in to request a translation.
Other books by this author
Frequently asked questions
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
Free to read
Start reading immediately — no signup required. Create a free account for more books and features.