近松秋江 · 일본어
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원문 (일본어)
伊賀國 近松秋江 伊賀國は小國であるけれども、この國に入るには何方からゆくにも相應に深い山を踰えねばならぬ。自分はいつも汽車の中に安坐しながら、此の國を通過するのであるが、西から木津川の溪谷を溯つて來るのもいゝし、東から鈴鹿山脈を横斷して南畫めいた溪山の間を入つて來るのも興が饒い。況んや俳聖芭蕉の生地である。吾々日本人の自然觀、人生觀乃至それ等の風物に對する趣味といふやうなものが芭蕉一人の存在によつて、いかに幽邃深遠の趣きを加へたかといふことを考へると、人間の世界には、烏合の群集ばかりでは足りない、寶玉の如き一人者がなければならぬ。 私はこの伊賀國の野と山とを多年憧憬して居た。眺め飽かぬ鈴鹿山脈の溪谷を横斷して汽車が伊賀の國境を踰えると、すぐ柘植の驛がある。芭蕉はこの柘植で生まれたといふことである。それを上野と柘植とで生地爭ひをしてゐるのはつまらぬことである。芭蕉はたゞ伊賀の人でよい。 汽車がその上野の驛に着いた頃には、又今晩あたり雨になりさうな空模樣になつてきた。今日これからすぐ月ヶ瀬に往くつもりであるが、勿論梅にはもう季節は遲れてゐるが月ヶ瀬の溪山も亦た多年憧憬してゐるところである
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近松秋江
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