新美南吉
新美南吉 · Japanese
No translation yet. Request one to move it up the queue.
新美南吉 · Japanese
First paragraph preview
Original (Japanese)
のら犬 新美南吉 一 常念御坊は、碁がなによりもすきでした。きょうも、となり村の檀家へ法事でよばれてきて、お昼すぎから碁をうちつづけ、日がかげってきたので、びっくりしてこしをあげました。 「まあ、いいじゃありませんか。これからでは、とちゅうで夜になってしまいます。今夜は、とまっていらっしゃいましよ。」 と、ひきとめられました。 「でも、小僧がひとりで、さびしがりますから。さいわいに風もございませんので。」 と、おまんじゅうのつつみをもらって、かえっていきました。 常念御坊は歩きながらも、碁のことばかり、考えつづけていました。さっきのいちばんしまいの、あすこのあの手はまずかった。むこうがああきた、そこであすこをパチンとおさえた、それからこうきたから、こうにげたが、あれはやっぱり、こっちのところへ、こうわたるべきだったなどと、むちゅうになって、歩いてきました。そのうちに、その村のはずれに近い、烏帽子をつくる家の前まできますと、もう冬の日も、とっぷりくれかけてきました。 しばらくしてなんの気もなく、ふと、うしろをふりかえってみますと、じきうしろに、犬が一ぴきついてきています。きつね色の毛をし
新美南吉
Translation status
WaitingLog in to request a translation.
Frequently asked questions
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
Free to read
Start reading immediately — no signup required. Create a free account for more books and features.