新美南吉
新美南吉 · Japanese
No translation yet. Request one to move it up the queue.
新美南吉 · Japanese
First paragraph preview
Original (Japanese)
石太郎が屁の名人であるのは、浄光院の是信さんに教えてもらうからだと、みんながいっていた。春吉君は、そうかもしれないと思った。石太郎の家は、浄光院のすぐ西にあったからである。 なにしろ是信さんは、おしもおされもせぬ屁こきである。いろいろな話が、是信さんの屁について、おとなたちや子どもたちのあいだに伝えられている。是信さんは、屁で引導をわたすという。まさかそんなことはあるまいが、すいこ屁(音なしの屁)ぐらいは、お経の最中にするかもしれない。 また、ある家の法会で鐘をたたくかわりに、屁をひってお経をあげたという。これも、おとながおもしろ半分につくったうそらしい。だが、これだけはたしかだ。是信さんは、正午の梵鐘をつきながら、鐘の音の数だけ、屁をぶっぱなすことができるということである。春吉君は、じぶんでその場面を見たからだ。 石太郎が是信さんの屁弟子であるといううわさは、春吉君に、浄光院の書院まどの下の日だまりに、なかよく日なたぼっこしている是信さんと、石太郎のすがたを想像させた。茶色のはん点がいっぱいある、赤みがかったつやのよい頭を日に光らせ、洗いふるしたねずみ色の着物の背をまるくしている、年
新美南吉
Translation status
WaitingLog in to request a translation.
Frequently asked questions
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
Free to read
Start reading immediately — no signup required. Create a free account for more books and features.