萩原朔太郎 · 일본어
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원문 (일본어)
私の情緒は、激情といふ範疇に屬しない。むしろそれはしづかな靈魂ののすたるぢやであり、かの春の夜に聽く横笛のひびきである。 ある人は私の詩を官能的であるといふ。或はさういふものがあるかも知れない。けれども正しい見方はそれに反對する。すべての「官能的なもの」は、決して私の詩のモチーヴでない。それは主音の上にかかる倚音である。もしくは裝飾音である。私は感覺に醉ひ得る人間でない。私の眞に歌はうとする者は別である。それはあの艶めかしい一つの情緒――春の夜に聽く横笛の音――である。それは感覺でない、激情でない、興奮でない、ただ靜かに靈魂の影をながれる雲の郷愁である。遠い遠い實在への涙ぐましいあこがれである。 およそいつの時、いつの頃よりしてそれが來れるかを知らない。まだ幼けなき少年の頃よりして、この故しらぬ靈魂の郷愁になやまされた。夜床はしろじろとした涙にぬれ、明くれば鷄の聲に感傷のはらわたをかきむしられた。日頃はあてもなく異性を戀して春の野末を馳せめぐり、ひとり樹木の幹に抱きついて「戀を戀する人」の愁をうたつた。 げにこの一つの情緒は、私の遠い氣質に屬してゐる。そは少年の昔よりして、今も猶私の夜
萩原朔太郎
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