マンパウル・トーマス
マンパウル・トーマス · Japanese
No translation yet. Request one to move it up the queue.
マンパウル・トーマス · Japanese
First paragraph preview
Original (Japanese)
ベルリン―ロオマ行の急行列車が、ある中ぐらいな駅の構内に進み入ったのは、曇った薄暗い肌寒い時刻だった。幅の広い、粗ビロオドの安楽椅子に、レエスの覆いをかけた一等の車室で、あるひとりの旅の客が身を起した――アルプレヒト・ファン・デル・クワアレンである。彼は眼を醒ましたのである。口の中に、なんだかまずい味が感ぜられる。そしてからだは、あのあまり愉快でない感じでみたされている。やや長く走った後の停止と、リズムをなしてとどろいていた車輪のひびきの終息と、呼び声や警笛など、窓外の騒音を、妙に意味ありげに際立たせる静寂とによって呼び起される、あの感じである。――これはちょうど陶酔や麻痺から、我に返った時のような心境である。われわれの神経からは、今までそれがもたれていた支え、つまり、リズムが、突然取り去られてしまう。そこで神経は、非常にみだされたような、取り残されたような感じを受ける。しかもわれわれがそれと同時に、重苦しい旅の眠りからさめる時には、なおさらその感じがはなはだしいのである。 アルプレヒト・ファン・デル・クワアレンはちょっと伸びをすると、窓際に近づいて、窓ガラスをおろした。彼は列車に沿う
マンパウル・トーマス
Translation status
WaitingLog in to request a translation.
Other books by this author
Frequently asked questions
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
Free to read
Start reading immediately — no signup required. Create a free account for more books and features.