宮本百合子
宮本百合子 · Japanese
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宮本百合子 · Japanese
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Original (Japanese)
子供・子供・子供のモスクワ 宮本百合子 さあ、ちょっと机のごたごたを片よせて、 (――コップは窓枠の前へでものせといてください。) モスクワ地図をひろげよう。 市の西から東・南に向って大うねりにのたくっているのは、誰でも知っているモスクワ河。その河が二股にわかれた北河岸に、不規則な三角形の城壁でとりまかれた一区廓は、全世界のブルジョアとプロレタリアートに一種の感銘をもってその名をひびかしているところのクレムリン。 この頃は城壁内の青草が茂って、ビザンチン式の古風な緑や茶色の尖塔はなかなか趣ある眺望だ。円屋根にひるがえる赤旗は、まわりを古風な建物がとりかこんでいるだけかえって新鮮で、光る白い雲の下で夏の歓びにあふれている。 クレムリンの城壁が終ったところに細い通りがあって―― ソラ! ここだ、労働宮というのは。 モスクワ河岸をAの電車にのってぐるりと行くと左手に素晴らしく印象的な白い建物があったろう。あれが労働宮である。組織と計画の理性の明るさそのものでがっしり組んで来るような颯爽たる大建築の内部には、社会主義労働の全組織網が納っているのだ。 ソヴェト全勤労者の祭日であるメーデーの前日か
宮本百合子
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