
尾形亀之助 · Japanese
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尾形亀之助 · Japanese
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詩集<色ガラスの街> 詩集<色ガラスの街> 尾形亀之助 此の一巻を父と母とに捧ぐ 序の一 りんてん機とアルコポン × りんてん機は印刷機械です × アルコポンはナルコポン(魔酔薬)の間違ひです 私はこの夏頃から詩集を出版したいと思つてゐました そして 十月の始めには出来上るやうにと思つてゐたので 逢う人毎に「秋には詩集を出す」と言つてゐました 十月になつてしまつたと思つてゐるうちに十二月が近くなりました それでも私はまだ 雑誌の形ででもよいと思つてゐるのです × そしてそんなことを思つて三年も過ぎてしまつたのです で 今私はここで小学生の頃 まはれ右を間違へたときのことを再び思ひ出します 一千九百二十五年十一月 序の二 煙草は私の旅びとである 朝早くから雨が降つてゐた そして 暗い日暮れに風が吹いて流れ 雨にとけこむ日暮れを泥ぶかい沼の底の魚のやうに 私と私の妻がゐる 私は二階の書斎に 妻は台所にゐる これは人のゐない街だ 一人の人もゐない、犬も通らない丁度ま夜中の街をそのままもつて来たやうな気味のわるい街です 街路樹も緑色ではなく 敷石も古るぼけて霧のやうなものにさへぎられてゐる ど

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