岸田国士 · 일본어
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원문 (일본어)
私が最初に北海道の土を踏んだのは、今から四十いく年か前のことで、たしか十六か十七の時であった。 父が九州小倉の師団から旭川へ転任になり、一家を挙げて新任地へ移って行ったので、当時東京中央幼年学校に在学中であった私は、夏休みに、まったく見知らぬ土地へ帰省することになったわけである。従って、父の在任中、ふた夏を北海道で過す機会を得たので、いくぶん土地との親しみもついてゐる。 その上、現在小樽高商出の佐竹佐武郎の許に嫁した末の妹は、旭川で生れたといふので、父が朝子と命名した由来も知ってゐるし、先年物故した次弟は、函館商船学校に学んだ経歴があったし、もっと遡れば、慶応で長く教鞭をとってゐた叔父は、札幌農学校の初期の学生であったと聞いてゐる。 こんな因縁話は誰にでもありさうなことだけれど、私の場合は、少年時代から今日までに捉へ得た北海道のすがたは、断片的な印象としてではなく、土地全体の概念として、一種奇怪な迫力をもって、常に記憶と想像の中に蘇って来るのである。 これは私の貧しい地理学の中で、まったく他に例のないことである。事実、内外を通じて、私の歩いた土地はかなり広いつもりであるが、いかなる驚異
岸田国士
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