岸田国士 · 일본어
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원문 (일본어)
田中千禾夫君について何か書けといふ座(俳優座)からの註文である。かういふ場所で親しい友人の作品評でもあるまいから、僕の識つてゐる同君の人物紹介をごく寛いだ気持でしてみることにする。 田中君が鳥取の産だといふことは、ごく最近まで知らなかつた。慶応の仏文科在学中から演劇研究を志し、僕たちのやつてゐた研究所へ第一回生としてはいつて来た頃、同君の特徴は、今日と少しも変らぬ寡黙謹直、しかも、なかなか鋭い観察眼をもつてゐることだつた。将来、舞台に立つつもりかと聞いても、にやにや笑つてゐて容易に返事をしない。そのうち、若い劇作家との交遊ができ、当時創刊された「劇作」の同人に加はつたと思ふと、忽ち処女作「おふくろ」を同誌に発表した。 僕はおせつかいにも、もつと野心的なものを書けと忠告し、同君はまた「にやにや」でそれに答へたのだが、由来、同君が、いはゆる「野心的なるもの」を甚だ軽蔑する風があることを、後に様々な機会にやうやく察するやうになり僕は、遂に、兜を脱いだ。田中君にとつて「演劇」とは、それによつて己れの野心などを満すものではなく、ただそのためにのみ生き甲斐を感じるていのものなのである。 田中君は、
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岸田国士
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