佐藤緑葉
佐藤緑葉 · Japanese
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佐藤緑葉 · Japanese
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Original (Japanese)
スティーヴンスンは近代の英文學者中で最もよく吾が國に紹介された者の一人であるから、恐らく茲に其傳記などを詳説する必要はあるまい。「寶島」は大抵の人が少年時代に一度は胸を轟かせる海賊奇談で、「ジーキル博士とハイド氏」は映畫でお馴染になつてる者も少くないと思ふ。專門學校程度以上の學校の學生々活を經驗した者なら、誰でも彼の短篇小説の一つ二つには原文で接觸してゐよう。それ程に彼の作品が吾が國に於て普遍性を持つてゐるのは、一つは彼の作品が奇怪にして變化に富んでゐるせいもあるが、今一つは彼の文章が高雅にして流麗であるためである。 スティーヴンスンは文章を學んで凡そ七年間文體に苦心したといふ事である。それにもかゝはらず、彼の初期の作品は世人に其旨味を理解されなかつたといふ事であるから、文章の道の困難なるは、吾も彼も變らないものと見える。私は近代の英文學者中にあつては結局スティーヴンスンとギッシングが最も特色のある作家だと思つてゐるが、しかも亦この二人程兩極端をあらはしてゐる作家も無いものだと思つてゐる。前者は純粹のロマンチシストで、後者はどこまでもリアリストであり、そして其實際生活がそれ/″\其作風
佐藤緑葉
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