チリコフオイゲン
チリコフオイゲン · Japanese
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チリコフオイゲン · Japanese
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Original (Japanese)
一 はてもない雪の野原を、二頭だてのそりが一だい、のろ/\と動いてゐました。そりにつけた鈴が、さびしい音をたてました。まつ白にこほりついた、ぼろござをきせられた馬は、にえたつた湯気のやうな息を、ひゆう/\はきつゞけました。 ぎよ車台には、こちらの村の百姓の子で、今年十三になるリカがすわつてゐます。お父つァんの古帽子をかぶつて来たのはいゝけれど、とてもづば/\で、ちよいとでもうつ向くと、ぽこりと、鼻の上までずりおちて来ます。リカは、それを、あらつぽくおし上げながら、 「ほい、ちきしよう。うすのろめ。はやくあるかねえか。ほい。」と、馬をどなり/\しました。 そりの中には、冬休みで田舎の家へかへつていく、中学二年生のコーリヤが、からだへ外とうや、ふとんをまきつけて、のつてゐます。北風は、ものすごいうなりをたてゝ、ふきまくり、リカの鼻をつねつたり、コーリヤの外とうをつきとほして、氷のやうな息をふきかけたり、指をこち/\にして、動かなくしてしまふかと思ふと、こんどは、ぞつと、くびすぢをなめまはしたりします。リカの靴は、まつ白にこほりついてゐます。帽子の下からのぞき出してゐる髪の毛は、まるで年より
チリコフオイゲン
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