Chapter 1 of 1

Chapter 1

清ら若水にみそぎ美々しく袖ひきつらね

首里天加那志美御機拝むと人々は

開暁鐘とつれて石畳九重の城に登つたで(あ)らう

歌と蛇及皮線に城内の夜は明けはなれ

御祝ごと続く御代の福らしや

都大路にあけず羽美衣も晴れやかに飛び交ひ

御冠船踊の華々しさよ

浮上とて見ゆる凪の伊平屋嶽の如くに

玉黄金若人たちは

娘たちの前に踊り栄えたであらう

花の昔よ走川のごとに

(流)れゆく年波を漕ぎ戻すよすがもなく

唐破風の屋根は苔蒸し 風にいたみ

竜樋の泉には清ら白鳥もおり立たず

茨に古ぶ階段とほく石塊ふみあぐみ

城壁高く望楼に登り立てば

天美子の御神天降り作り召したる島々や

新装こらした緑の真帆はりはい並び

おす風とつれて朝の港を帆走いづるよ。

●図書カード

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