Chapter 1 of 1

Chapter 1

青い服の長い列、

みんな揃って青い服、

ひょろひょろとした、

せいのひくい、

営養不良の、

顔まで青い長い列。

みんな同じようなゲートルをまいて、

手に手に日の丸の小旗をもって、

生徒のような帽子をかぶって、

どれもこれも、

鉱毒と過労にひきつったような顔。

時間にして一時間以上、

長さにして一里以上、

数にして一万以上、

砲兵工廠から二重橋まで

うねうねと蟻の列のように。

それがみんな人間だ、

しかも髯をはやした立派な人間だ。

青い服を着た職工――

人間の器械だ。

花の日の酔うような街中を、

小旗をふりながら謳ってゆく、

なんと言って謳ってゆく、

見たことも、嘗めたこともない、

「黒酒白酒をとりもちて――」……。

(花の日所見)(『生活と芸術』一九一五年十二月号に発表)

●図書カード

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