Vol. 2May 2026

Buku

Perpustakaan pengetahuan dunia domain publik

14,981종 중 3,048종 표시

大菩薩峠 26 めいろの巻

中里介山

一 信濃の国、白骨の温泉――これをハッコツと読ませたのは、いつの頃、誰にはじまったものか知らん。 先年、大菩薩峠の著者が、白骨温泉に遊んだ時、机竜之助のような業縁もなく、お雪ちゃんのようにかしずいてくれる人もない御当人は、独去独来の道を一本の金剛杖に託して、飄然として一夜を白槽の湯に明かし、その翌日は乗鞍を越えて飛騨へ出ようとして、草鞋のひもを結びながら宿の

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 25 みちりやの巻

中里介山

一 武州沢井の机竜之助の道場に、おばけが出るという噂は、かなり遠いところまで響いておりました。 ここは塩山を去ること三里、大菩薩峠のふもとなる裂石の雲峰寺でもその噂であります。 その言うところによると、この間、一人の武者修行の者があって、武州から大菩薩を越え、この裂石の雲峰寺へ一泊を求めた時に、雲衲が集まっての炉辺の物語―― 音に聞えた音無の名残りを見んとて

JA
Hanya teks asli

古川ロッパ昭和日記 24 昭和三十三年

古川緑波

九時すぎに起され、入浴。PHもなき、静けき正月なり。金がないだけが、哀れだが。朝食、母上も離れから来られる。屠蘇と雑煮、何が正月だい! と叫びたき心地。年賀はがき、何百枚か着く。出さないところからのも大分あるので、先づは、初書きは、年賀状から始めよう。床へ入り、年賀はがきの残りを書き出す。女房は風邪で熱ありだし、年賀客といっては、津田・松本・影山・小島がかほ

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 24 流転の巻

中里介山

一 宇治山田の米友は、碓氷峠の頂、熊野権現の御前の風車に凭れて、遥かに東国の方を眺めている。 今、米友が凭れている風車、それを米友は風車とは気がつかないで、単に凭れ頃な石塔のたぐいだと心得ている。米友でなくても、誰もこの平たい石の塔に似たものが、風車だと気のつくものはあるまい。子供たちは、紙と豆とでこしらえた風車を喜ぶ。ネザランドの農家ではウィンドミルを実用

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 23 他生の巻

中里介山

一 清澄の茂太郎は、ハイランドの月見寺の三重の塔の九輪の上で、しきりに大空をながめているのは、この子は、月の出づるに先立って、高いところへのぼりたがる癖がある。人に問われると、それは、お月様を迎えに出るのだというが、しかし今晩は、どうあっても月の出ないはずの晩ですから、茂太郎も、それを迎えに出る必要はないはずです。 天には星の数 地にはガンガの砂の数 大声あ

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 22 白骨の巻

中里介山

一 この際、両国橋の橋向うに、穏かならぬ一道の雲行きが湧き上った――といえば、スワヤと市中警衛の酒井左衛門の手も、新徴組のくずれも、新たに募られた歩兵隊も、筒先を揃えて、その火元を洗いに来るにきまっているが、事実は、半鐘も鳴らず、抜身の槍も走らず、ただ橋手前にあった広小路の人気が、暫く橋向うまで移動をしたのにとどまるのは、時節柄、お膝元の市民にとっての幸いで

JA
Hanya teks asli

銭形平次捕物控 227 怪盗系図

野村胡堂

「親分、良い心持じゃありませんか。腹は一ぺえだし、酔い心地も申し分なし、陽気が春で、女の子が大騒ぎをすると来ちゃ――」 ガラッ八の八五郎は、長んがい顔を撫でて、舌嘗ずりしながら、銭形平次の後に追いすがるのでした。 与力筆頭笹野新三郎の心祝いの小宴に招かれて、たらふく飲んだ八丁堀の帰り、二人は八つ小路を昌平橋へ――、筋違御門を右に見て歩いておりました。 「それ

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 21 無明の巻

中里介山

一 温かい酒、温かい飯、温かい女の情味も畢竟、夢でありました。 その翌日の晩、蛇滝の参籠堂に、再びはかない夢を結びかけていた時に、今宵は昨夜とちがってしとしとと雨です。 机竜之助は、軒をめぐる雨滴の音を枕に聞いて、寂しいうちにうっとりとしていますと、頭上遥かに人のさわぐ声が起りました。 しとしとと降りしきる雨をおかして、十一丁目からいくらかの人が、この谷へ向

JA
Hanya teks asli

探検実記 地中の秘密 20 大森貝塚の発掘

江見水蔭

──日本貝塚の本家──採集家としての名譽──公爵自ら發掘す──博士の席上採集── 大森の貝塚は、人類學研究者の眼から、最も神聖なる地として尊敬せられて居る。此所が本邦最初に發見せられた石器時代の遺跡であるからだ。 米國のエドワルド、エス、モールス氏が、明治十二年に於て、初めて此所に遺跡を發見し、然うして大發掘を試みられた記事は『理科會粹』の第一帙として、東京

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 20 禹門三級の巻

中里介山

宇治山田の米友は、あれから毎日のように夢を見ます。その夢は、いつもはんで捺したように不動明王の夢であります。夢や新聞は、毎日変ったものを見せられるところにねうちがあるのだが、米友のように、毎夜毎夜同じ夢ばかりを見せられては、驚かなければなりません。 夢から醒めたたびに米友の驚き呆れた面も、やはりはんで捺したようなものです。米友はついに堪り兼ねて、床の間にかけ

JA
Hanya teks asli

或る女 1(前編)

有島武郎

新橋を渡る時、発車を知らせる二番目の鈴が、霧とまではいえない九月の朝の、煙った空気に包まれて聞こえて来た。葉子は平気でそれを聞いたが、車夫は宙を飛んだ。そして車が、鶴屋という町のかどの宿屋を曲がって、いつでも人馬の群がるあの共同井戸のあたりを駆けぬける時、停車場の入り口の大戸をしめようとする駅夫と争いながら、八分がたしまりかかった戸の所に突っ立ってこっちを見

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 19 小名路の巻

中里介山

その晩のこと、宇治山田の米友が夢を見ました。 米友が夢を見るということは、極めて珍らしいことであります。米友は聖人とは言いにくいけれども、未だ曾て夢らしい夢を見たことのない男です。彼は何かに激して憤ることは憤るけれども、それを夢にまで持ち越す執念のない男でした。また物に感ずることもないとは言わないけれども、それを夢にまで持ち込んであこがれるほどの優しみのある

JA
Hanya teks asli

Complete Works of Oguma Hideo 19: On Art and Painting

小熊秀雄全集-19 美術論・画論

小熊秀雄

●目次 1.モヂリアニ論 2.松林桂月論(一) 3.松林桂月論(二) 4.堅山南風論 5.郷倉千靱論 6.伊東深水論 7.奥村土牛論 8.上村松園論 9.大智勝観論 10.小倉遊亀論 11.菊池契月論 12.金島桂華論 13.徳岡神泉論 14.石崎光瑤論 15.山口華楊論 16.小杉放庵論 17.福田平八郎論 18.川村曼舟論 19.児玉希望論 20.大森桃

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 18 安房の国の巻

中里介山

この巻は安房の国から始めます。御承知の通り、この国はあまり大きな国ではありません。 信濃、越後等の八百方里内外の面積を有する、それと並び立つ時には、僅かに三十五方里を有するに過ぎないこの国は哀れなものであります。むしろその小さな方から言って、壱岐の国の八方里半というのを筆頭に、隠岐の国が二十一方里、和泉の国が三十三方里という計算を間違いのないものとすれば、第

JA
Hanya teks asli

食品の混ぜ物処理および調理の毒物(1820)

アークムフレデリック

この本は表題が示すように、テーブル上で必須または贅沢な品物に分類される食べ物などへの不正な混ぜ物処理(adulteration)を簡単に見つけ出せるようにし、不注意な人たちでも健康に有害物が混じった商品に気づくようにしている。 すべての人たちは、パン、ビール、ワイン、などの家庭で使われている物質にしばしば混ぜ物処理がなされていることを知っている。そして茶、コ

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 17 黒業白業の巻

中里介山

八幡村の小泉の家に隠れていた机竜之助は、ひとりで仰向けに寝ころんで雨の音を聞いていました。雨の音を聞きながらお銀様の帰るのを待っていました。お銀様は昨日、そっと忍んで勝沼の親戚まで行くと言って出て行きました。今宵はいやでも帰らねばならぬはずなのに、まだ帰って来ないのであります。 お銀様は、竜之助を連れて江戸へ逃げることのために苦心していました。勝沼へ行くと言

JA
Hanya teks asli

中国怪奇小説集 17 閲微草堂筆記(清)

岡本綺堂

第十五の男は語る。 「わたくしは最後に『閲微草堂筆記』を受持つことになりましたが、これは前の『子不語』にまさる大物で、作者は観奕道人と署名してありますが、実は清の紀であります。紀は号を暁嵐といい、乾隆時代の進士で、協弁大学士に進み、官選の四庫全書を作る時には編集総裁に挙げられ、学者として、詩人として知られて居ります。死して文達公と諡されましたので、普通に紀文

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 16 道庵と鯔八の巻

中里介山

下谷の長者町の道庵先生がこの頃、何か気に入らないことがあってプンプン怒っています。 その気に入らないことを、よく尋ねてみるとなるほどと思われることもあります。それは道庵先生のすぐ隣の屋敷地面を買いつぶして、贅沢な普請をはじめたものがあるのであります。道庵先生ほどのものが、他人の普請を嫉むということはありません。その普請が出来上るまでは、先生は更に頓着をしませ

JA
Hanya teks asli

中国怪奇小説集 16 子不語(清)

岡本綺堂

第十四の男は語る。 「わたくしは随園戯編と題する『子不語』についてお話し申します。 この作者は清の袁枚で、字を子才といい、号を簡斎といいまして、銭塘の人、乾隆年間の進士で、各地方の知県をつとめて評判のよかった人でありますが、年四十にして官途を辞し、江寧の小倉山下に山荘を作って小倉山房といい、その庭園を随園と名づけましたので、世の人は随園先生と呼んで居りました

JA
Hanya teks asli

小熊秀雄全集-15 小説

小熊秀雄

●小説総目次 土の中の馬賊の歌 味瓜畑 塩を撒く 殴る 裸婦 憂鬱な家 泥鰌 雨中記 諷刺短篇七種 盗む男の才能に関する話 暗黒中のインテリゲンチャ虫の趨光性に就いて 深海に於ける蛸の神経衰弱症状 芸妓聯隊の敵前渡河 村会の議題『旦那の湯加減並に蝋燭製造の件』 一婦人の籐椅子との正式結婚を認めるや否や 『飛つチョ』の名人に就いて 監房ホテル 遙か彼方を眺むれ

JA
Hanya teks asli

中国怪奇小説集 15 池北偶談(清)

岡本綺堂

第十三の男は語る。 「清朝もその国初の康煕、雍正、乾隆の百三十余年間はめざましい文運隆昌の時代で、嘉慶に至って漸く衰えはじめました。小説筆記のたぐいも、この隆昌時代に出たものは皆よろしいようでございます。わたくしはこれから王士禎の『池北偶談』について少しくお話をいたそうと存じます。王士禎といってはお判りにならないかも知れませんが、王漁洋といえば御存じの筈、清

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 15 慢心和尚の巻

中里介山

お銀様は今、竜之助のために甲陽軍鑑の一冊を読みはじめました。 「某は高坂弾正と申して、信玄公被管の内にて一の臆病者也、仔細は下々にて童子どものざれごとに、保科弾正鑓弾正、高坂弾正逃弾正と申しならはすげに候、我等が元来を申すに、父は春日大隅とて……」 それは巻の二の品の第五を、はじめから、お銀様はスラスラと読みました。 竜之助がおとなしく聞いているために、品の

JA
Hanya teks asli

大菩薩峠 14 お銀様の巻

中里介山

夜が明けると共に靄も霽れてしまいました。天気も申し分のないよい天気であります。幸内は能登守の屋敷から有野村の伊太夫の家へ迎えられることになりました。 有野村へ迎えられて幸内が、その今までの経過をすっかり物語りさえすれば、万事は解釈されるのでした。神尾主膳の残忍さ加減と、その屋敷にいる盲剣客の一種異様なる挙動とが、幸内の口から明らかになりさえすれば、それを聞く

JA
Hanya teks asli

世界怪談名作集 14 ラザルス

アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ

一 三日三晩のあいだ、謎のような死の手に身をゆだねていたラザルスが、墓から這い出して自分の家へ帰って来た時には、みんなも暫くは彼を幽霊だと思った。この死からよみがえったということが、やがてラザルスという名前を恐ろしいものにしてしまったのである。 この男が本当に再生した事がわかった時、非常に喜んで彼を取り巻いた連中は、引っ切りなしに接吻してもまだ足りないので、

JA
Hanya teks asli