Vol. 2May 2026

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14,981종 중 14,592종 표시

風俗時評

豊島与志雄

風俗時評 豊島与志雄 A 神社参拝は、良俗の一つとなっている。明治神宮や靖国神社など、国家的な国民的な神社へ、祈誓のために参拝することは別として、町々村々にはそれぞれ、氏神や其他の神社があり、常に参拝の人がたえず、非常時に際して、支那事変に際して、参拝者は殊に多くなった。 氏神や其他の神社、云わば民衆的な神社へ、参拝してる人々の姿態、それは本来、清く明るく朗

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コロボックル風俗考

坪井正五郎

此風俗考を讀むに先だちて知らざるべからざる事數件有り。此所に列記して緒言とす。 コロボックルとは何ぞ。コロボックルとは元來北海道現住のアイヌ、所謂舊土人が己れ等よりも更に舊く彼の地に棲息せし人民に負はせたる名稱の一なり。然れども此人民の遺物なりとアイヌの言ひ傳へたる物を見るに本邦諸地方の石器時代遺跡に於て發見さるる古器物と同性質にして彼も此も正しく同一人民の

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風と光と二十の私と

坂口安吾

風と光と二十の私と 坂口安吾 私は放校されたり、落第したり、中学を卒業したのは二十の年であった。十八のとき父が死んで、残されたのは借金だけということが分って、私達は長屋へ住むようになった。お前みたいな学業の嫌いな奴が大学などへ入学しても仕方がなかろう、という周囲の説で、尤も別に大学へ入学するなという命令ではなかったけれども、尤もな話であるから、私は働くことに

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風博士

坂口安吾

諸君は、東京市某区某町某番地なる風博士の邸宅を御存じであらう乎? 御存じない。それは大変残念である。そして諸君は偉大なる風博士を御存知であらうか? 御存知ない。それは大変残念である。では偉大なる風博士が自殺したことも御存じないであらうか? ない。嗚乎。では諸君は遺書だけが発見されて、偉大なる風博士自体は杳として紛失したことも御存知ないであらうか? ない。嗟乎

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風博士

坂口安吾

風博士 坂口安吾 諸君は、東京市某町某番地なる風博士の邸宅を御存じであろう乎? 御存じない。それは大変残念である。そして諸君は偉大なる風博士を御存知であろうか? ない。嗚呼。では諸君は遺書だけが発見されて、偉大なる風博士自体は杳として紛失したことも御存知ないであろうか? ない。嗟乎。では諸君は僕が其筋の嫌疑のために並々ならぬ困難を感じていることも御存じあるま

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「風博士」

牧野信一

厭世の偏奇境から発酵したとてつもないおしやべりです、これを読んで憤らうつたつて憤れる筈もありますまいし、笑ふには少々馬鹿/\し過ぎて、さて何としたものかと首をかしげさせられながら、だんだん読んで行くと重たい笑素に襲はれます。この笑素は化学読本で御存じのあの酸素中の一原素の謂です。決してペーソスなんていふしやれたものではなくて、それはとても悠長なトアパイロン見

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風が吹いている

チュラーイマルーシャ

風が吹いている 風がうなる 木々もしなる わたしの心は痛むのに もう涙も流れない えんえん嘆き悲しんできたけれど 終わりは見えない いっそ泣き叫んでも 気持ちが楽になるだけ 涙は幸せを取り戻してくれない 気休めになるだけのこと つかのま幸いだった人は 死ぬまでそれが忘れられない わたしのめぐりあわせを うらやむ人たちもいる 野に生える草がそれだけで 幸せだと

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風に吹かれる木の葉

前田夕暮

風に吹かれる木の葉をみてゐると創生紀時代が思はれる。原始時代の姿が見える。 風に吹かれる木の葉をみると、永遠と瞬間とを同時に感じられる。 風に吹かれる木の葉をみると、踊りを聯想する。しなやかなしろい手をひらりひらりとさせたり、扇をひらり、ひらりさせたりして、顫動的に体を動かす踊を見てゐるやうだ。 木の葉では桂の葉がなかでも踊りの手ぶりをあらはしてゐる。ある夏

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風呂供養の話

田中貢太郎

風呂供養の話 田中貢太郎 中国山脈といっても、播磨と但馬の国境になった谷あいの地に、世間から忘れられたような僅か十数戸の部落があったが、生業は云うまでもなく炭焼と猟師であった。 それは明治十五六年比の秋のことであった。ある日、一人の旅僧が飄然とやって来て、勘右衛門という部落でも一番奥にある猟師の家の門口に立って、一夜の宿を乞うた。 その日、亭主の勘右衛門は留

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風呂桶

徳田秋声

風呂桶 徳田秋声 津島はこの頃何を見ても、長くもない自分の生命を測る尺度のやうな気がしてならないのであつた。好きな草花を見ても、来年の今頃にならないと、同じやうな花が咲かないのだと思ふと、それを待つ心持が寂しかつた。一年に一度しかない、旬のきまつてゐる筍だとか、松茸だとか、さう云ふものを食べても、同じ意味で何となく心細く思ふのであつた。不断散歩しつけてゐる通

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風呂を買うまで

岡本綺堂

風呂を買うまで 岡本綺堂 わたしは入浴が好きで、大正八年の秋以来あさ湯の廃止されたのを悲しんでいる一人である。浅草千束町辺の湯屋では依然として朝湯を焚くという話をきいて、山の手から遠くそれを羨んでいたのであるが、そこも震災後はどうなったか知らない。 わたしが多年ゆき馴れた麹町の湯屋の主人は、あさ湯廃止、湯銭値上げなどという問題について、いつも真先に立って運動

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風を喜ぶ

前田夕暮

すべての植物――日に立ちて葉照りあかるき常緑樹、おほくは灰白色の肌を風に晒す闊葉樹の群落。単子葉類の竹といふ竹、草、草、草。 野の草、水辺の草、海の草、山に、谷に、岡に、沼に、川に、田に、溝に、あるひは小路に、田の畔に、畑の畦に、歩道に、往還に、坂に。 樹のかげ、建物のかげ、山のかげに青々と茂り、みどりに照り、あるひは黒き葉に光を収斂する有毒草にいたるまで、

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風土と伝統

中谷宇吉郎

この頃、伝統という言葉がちょいちょい使われるようになった。一時の極端な左傾から、今度は右の方へ揺れが戻って来て、日本の国の古来の伝統を尊重しなければならないというようなことが、よくいわれる。 そういう単純な復古主義ではないが、私は、一つの民族が持っている伝統というものは、案外根強いものでこれは急には無くならないものと思っている。伝統を破らなければならないなど

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風変りな決闘

宮原晃一郎

風変りな決闘 宮原晃一郎 はじめて見た機関砲 今でこそ日本は、最新兵器をもつ世界一流の陸海軍国であるが、明治維新となり、はじめて陸海軍が出来た頃は、兵器でも軍隊の組織でもまだ尋常一年生で、すべて西洋諸国に学んでゐた。しかし日本人の優れてゐたことは、その頃でも変りなかつた。 その頃フランスへ行つて、フランス軍人をあつといはせた「鉄砲上村どん」の痛快な話がある。

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風媒

林芙美子

早苗はまるでデパートで買物でもするひとのやうに産院をまはつては、赤ん坊を貰ひに歩いてゐた。色が白くて、血統がよくて、器量のいゝ、そして健康な女の子をほしいと思つてゐた。 今日も、ごう/\と寒い風の吹くなかをバスにゆられながら、早苗は三條までやつて來て、疏水の近くにある梅園産院と云ふのへ寄つてみた。底冷えのする寒い路地の中を小走りに歩きながら、早苗はいろ/\な

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風媒結婚

牧野信一

この望遠鏡製作所に勤めて、もう半年あまり経ち、飽性である僕の性質を知つてゐる友人連は、あいつにしては珍らしい、あの朝寝坊がきちん/\と朝は七時に起き、夕方までの勤めを怠りなくはたして益々愉快さうである、加けに勤めを口実にして俺達飲仲間からはすつかり遠ざかつて、まるで孤独の生活を繰返してゐるが、好くもあんなに辛抱が出来たものだ――などゝ不思議がり、若しかすると

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風の寒い世の中へ

小川未明

お嬢さんの持っていましたお人形は、いい顔で、めったに、こんなによくできたお人形はないのでしたが、手もとれ、足もこわれて、それは、みるから痛ましい姿になっていました。 けれど、お嬢さんは、そのお人形に美しい着物をきせて、本箱の上にのせておきました。かわいらしい顔つきをしたお人形は、いつでもにこやかに笑っていました。そして、あちらに、かかっている柱時計を小さな黒

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風景

豊島与志雄

風景 豊島与志雄 一 美しい木立、柔かな草原、自然の豊かな繁茂の中に、坦々たる街道が真直に続き、日は麗わしく照っている。二人の恋人が、或は二人の仲間が、肩を並べ、楽しい足取りで、その街道を進んでゆく。古い生活を捨てて、新らしい生活の方へ。彼等は襤褸をまとい、小さな包みを提げ、ポケットに一片のパンを持ってるのみであるが、前途には洋々たる希望がある……。 それは

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風景

堀辰雄

波止場の附近はいつものやうに、ぷんぷん酒臭い水夫や、忙しさうに陸揚してゐる人夫どもで一ぱいだつた。僕はさういふさなかを窮窟さうに歩くといふよりも、むしろ人氣のなささうなところを、ところを、と拾ひながら歩いてゐた。すると突然、僕は或るへんてこな一區域に迷ひ込んでしまつたのである。 しかし僕がそこをへんてこなところだなと思つたのは、次の瞬間、人が始めて風景といふ

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風景

原民喜

生活が一つのレールに乗って走り出すと、窓から見える風景がすべて遠い存在として感じられた。岸田は往復の省線の窓から、枯芝の傾斜面に残る雪や、ガラス板にたっぷり日光を受けて走る自動車や、あくどい広告燈の明滅を眺めて慣れた。そしてスチームは働いてゐると云ふ意識を温めた。つまり一定の職に就けたと云ふことは、それだけで岸田を安心させた。だから冬から春への推移だって、鳥

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風と木 からすときつね

小川未明

広い野原は、雪におおわれていました。無情な風が、わが世顔に、朝から夜まで、野原の上を吹きつづけています。その寒い風にさまたげられて、木の枝は、すこしもじっとしておちついていることができません。しきりに振り起こされては、氷のような空気の中に無理やりに躍らなければなりませんでした。 「もし、もし、北風さん、そう私をいじめるものではありません。私は、いま、春になる

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風波の日

前田夕暮

今朝、伊東特有の西風が天城から激しく吹き颪して、海には風波が一面に立つてゐる。その風波の海を隔てた遥か東北の方向に、大山丹沢の連山がほの赤く日に温められて、煙波の間に縹渺としてゐる。 浜に出してみると、風が蓬々として海の方へ吹いてゐる。帽子も何も吹きとばされさうだ。寒さは身内に浸透する。海は日蔭つて暗くなる。 私の子供は二人とも元気で渚をぴちぴちとんで歩いた

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風流

坂口安吾

今年いっぱい、日本諸国をかなり足まめに旅行した。人家と山の多いのが、目にしみる。 戦災をうけない都市が、戦災都市と同じように掘立小屋のマーケット街を新作し、屋台店で大道の半分を占領し、戦災都市の窮余の悲風をわざと再現しているのが異様であった。これを日本の風流というのかも知れんと考えた。 それが流行ならば穴居住宅にまで退行するのはそう面倒なことではなく、穴の中

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風流仏

幸田露伴

三尊四天王十二童子十六羅漢さては五百羅漢、までを胸中に蔵めて鉈小刀に彫り浮かべる腕前に、運慶も知らぬ人は讃歎すれども鳥仏師知る身の心耻かしく、其道に志す事深きにつけておのが業の足らざるを恨み、爰日本美術国に生れながら今の世に飛騨の工匠なしと云わせん事残念なり、珠運命の有らん限りは及ばぬ力の及ぶ丈ケを尽してせめては我が好の心に満足さすべく、且は石膏細工の鼻高き

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