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地震の話
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地震の話
今村明恒
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翻訳 Pagera AI
原文 Public Domain
Chapter 7 of 13

四、屋内にての避難

屋根を支へる家具

大地震に出會つて屋外への安全な避難が間に合はない場合は、家屋の潰れること、壁の墜落、煙突の崩壞などを覺悟し、又木造家屋ならば下敷になつた場合を考慮して、崩壞又は墜落物の打撃から免れ得るような場所に一時避難するがよい。普通の住宅ならば椅子、衣類で充滿した箪笥、火鉢、碁盤、將棊盤など、總て堅牢な家具ならば身を寄せるに適してゐる。これ等の適例は大地震の度毎にいくらも見出される。

教場内に於ては机の下が最も安全であるべきことは説明を要しないであらう。下敷になつた場合に於て、致命傷を與へるものは梁と桁とである。それさへ避けることが出來たなら大抵安全であるといつてよい。さうして學校の教場内に竝列した多數の机や或は銃器臺などは、其連合の力を以て、此桁や梁、又は小屋組全部を支へることは容易である。

田根小學校の教室倒潰

圖は明治四十二年八月十四日姉川大地震に於て倒潰の憂き目を見た、田根小學校の教場である。讀者は墜落した小屋組が、其連合の力を以ていかに完全に支へられたかを見られるであらう。この地震の時は、丁度夏季休暇中であつたため、一人の生徒もゐなかつたのであるが、假に授業中であつたとして、もしそれに善處せんとするならば、「机の下へしやがめ」の號令一下で十分であつたらう。さうして家の潰れ方が圖に示された通りであつたならば、生徒中に一人の負傷者も出來ず、「しやがんだまゝ外へ出よ」との第二號令で、全員秩序を亂さず、平日教場へ出入するのと餘り違はない態度で校庭へ現れ出ることが出來たであらう。

木造家屋に對しては、處置が比較的に容易であるが、重い洋風建築物であると、さう簡單にはゆかぬ。第一墜落物も張壁、煖爐用煙突など、いづれも重量の大なるものであるから、机や椅子では支へることが困難である。しかし室は比較的に廣く作られるのが通常であるから、右のようなものゝ落ちて來さうな場所から遠ざかることも出來るであらう。廣い室ならば、其中央部、もしくは煙突の立てる反對の側など、稍それに近い條件であらう。若し室内にて前記の如き條件の場所もなく、又は廊下に居合せて、兩側の張壁からの墜落物に挾み撃ちせられさうな場合に於ては、室の出入口の枠構へが、夕立に出會つたときの樹陰位の役を勤めるであらう。

Chapter 7 of 13
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