Chapter 1 of 1

Chapter 1

空と地とに緑はうまる、

緑をふみてわが行くところ、

靴は光る魚ともなり、

よろこび樹蔭におよぎ、

手に輕き薄刃はさげられたり。

ああ、するどき薄刃をさげ、

左手をもつて敵手に揖す、

はや東雲あくる楢の林に、

小鳥うたうたひ、

きよらにわれの血はながれ、

ましろき朝餉をうみなむとす。

みよ我がてぶくろのうへにしも、

愛のくちづけあざやかなれども、

いまはやみどりはみどりを生み、

わがたましひは芽ばえ光をかんず、

すでに伸長し、

つるぎをぬきておごりたかぶるのわれ、

をさな兒の怒り昇天し、

烈しくして空氣をやぶらんとす、

土地より生るる敵手のまへ、

わが肉の歡喜ふるへ、

感傷のひとみ、あざやかに空にひらかる。

ああ、いまするどく鋭刃を合せ、

手はしろがねとなり、

われの額きずつき、

劍術は青らみつひにらじうむとなる。

●図書カード

Chapter 1 of 1