Chapter 1 of 1

Chapter 1

村のかじやさんは、はたらき者で、いつも夜おそくまで、テンカン、テンカンと、かなづちをならしていました。

ある夜、きつねが、あちらの森で、コンコンとなきました。

かじやさんは、「お正月の休みに、きつねをとってやろう。」と、思いました。

かじやさんは、自分の手で、ばねじかけのおとしを作りました。

はたらき者のかじやさんも、お正月には仕事を休みました。

雪がちらちら降っています。かじやさんは、うらのはたけへおとしをかけました。

晩になると、きつねが、あぶらげのにおいをかぎつけてやってきました。

「お母さん、こんなところに、どうしておいしいものが、おちているのでしょう。」と、子ぎつねがふしぎがりました。

「まあ、あぶないことだ。これは、おとしというものです。さあ、早く、こちらへおいで。」と、母ぎつねは、子ぎつねをつれてゆきました。

「お母さん、だれが、あんなことをしたの?」と、子ぎつねがききました。

「だれがするものか、あのかじやさんだよ。」

「はたらき者だけれど、わるい人ね。」

「なに、私たちをそんなばかだと思っているのでしょう。」と、母ぎつねが笑いました。

かじやさんは町へご年始にいきました。お酒をたくさんいただきまして、いい気持ちで村へかえってきました。途中で日がくれてしまいました。けれど、かじやさんは「あ、こりゃ、こりゃ。」と、うたをうたいながら、上きげんでありました。このとき、赤いちょうちんをつけて、二人の子供がきかかりました。

「おじさん、お酒によって、よく歩けないのでしょう。お家へつれていってあげましょう。」と、二人は手をひいてくれました。

「おお、勇坊と、みっちゃんか、あしたあそびにきな。みかんをやるから。」

かじやさんは、いいきげんでした。

「おじさん、もう、ここはお家よ。おすわりなさい。」

かじやさんは、いい気持ちで、ぐうぐう、ねてしまいました。鳥がないて目をさますと、かじやさんは、お寺のかねつきどうにすわっておりました。

●図書カード

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