
片岡義男 · Japanese
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片岡義男 · Japanese
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Original (Japanese)
昼食には洋食の店でコロッケを食べた。右隣の席にいる三年だけ先輩の同僚が教えてくれた店だ。初めてのその店で食べたあと、まだ歩いたことのない道を経由して会社へ向かった。途中に画材の店があった。本来は卸問屋なのだが、店先では小売りもしていた。スケッチ・ブックが目玉商品として安く出ていた。B6サイズで百枚綴じのを一冊、北原亜紀男は買った。 会社の建物へ戻り、エレヴェーターで六階へ上がった。このワン・フロアが営業の大部屋だ。片方の壁にタイム・カードとその印字機があり、その前を横へ奥に入ると、そこは湯沸かし室だった。正面には曇りガラスのドアが観音開きにあった。ドアを入ると右手のスペースがタイピスト・プールで、通路をはさんで左側には営業庶務の人たちの机がならんでいた。その向こうに会議室がふたつあり、さらにその奥はテレックス・マシーンとそのオペレーターのコーナーだった。 新卒で入社してまだ三か月にならない北原の席は、大部屋のほぼまんなかあたりにあった。昼休みはまだ終わっていない。だから部屋に人は少なかった。女性たちはまだ全員が席に戻っていなかった。自分の机までいき、椅子にすわり、買ったばかりのスケッチ

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