岸田国士
岸田国士 · Japanese
No translation yet. Request one to move it up the queue.
岸田国士 · Japanese
First paragraph preview
Original (Japanese)
言葉といふものは、書かれる場合と話される場合とで、余程性質が違つて来るものである。 書かれた言葉、即ち「文章」については、いろいろの研究や模範が示されてゐるが、「語られる言葉」即ち「談話」といふものになると、まだ日本ではそれほど人々の注意をひいてゐない。 文章の善し悪しは、近頃漸く正しい批判に基いて論じられるやうになつたが、「談話」や「弁舌」の標準は、どうもあやふやで頼りない気がする。 「話上手」とか、「弁が立つ」とかいふのを実際聴いてみると、多くは型にはまつた言葉の羅列で、ほんたうの魅力を感じることは少いといつていゝ。 文章と同様、「語られる言葉」もまた、単にある限られた思想や感情を伝へるばかりでなく、その「人」を、即ち語り手の年齢、性、教養、環境、国、時代、更にその職業、性格、気分までを現はすものであつて、さういふ意味から、「言葉の芸術」といふものが生れて来る。つまり、文章が文学に繋がるやうに、「語られる言葉」は話術、または雄弁術、殊に演劇の白に繋がるのである。 ところで、さういふ専門的なことは別にして、日常われわれの使用する言葉についていへば、そこにもやはり文化生活を営むものにと
岸田国士
Translation status
WaitingLog in to request a translation.
Other books by this author
Frequently asked questions
Yes — completely free. This book is in the public domain, so Pagera offers the full text without payment or account requirement. Pagera is funded by advertising.
Free to read
Start reading immediately — no signup required. Create a free account for more books and features.