高村光雲
高村光雲 · Japanese
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高村光雲 · Japanese
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Original (Japanese)
今日までの話にはまだ門人の事について話が及んでおりませんから、今日はそれを話しましょう。実は、私が弟子を置いたということは偶然のことではないのです。これには少し理由のあることで……といって何もむずかしいことでも何んでもありませんが、……前にも度々話した通り、私が弟子を置き初めた時分……ちょうど西町時代の初期頃は木彫りが非常に頽れ、ひとえに象牙ばかりが流行った時代。木彫りといってはほとんど全く顧みる人もなかったのであります。しかし木彫りをする人は多少はありました。多少はあるにはあっても、その中に腕のすぐれた人はなおさら牙彫りの方へ職を変えてしまいましたから、一層木彫りの方は頽れて行ったような次第であって、わずかに自分ら一、二のものが取り残されたようなわけで木彫りの振わないことは夥多しいのでありました。したがって生計上に困ることは自然の理で、ようやくその日を糊する位のもので、さらに他を顧みる隙もなかったことでありました。 木彫りの世界はこういうあわれむべき有様でありましたので、私は、どうかしてこの衰頽の状態を輓回したいものだと思い立ちました。ついては、何事によらず、一つの衰えたものを旺んに
高村光雲
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